2025年6月17日
みなさま、こんにちは。
今日のブログ担当、京都在住のSです。
今回のブログテーマ『バケーション(vacation)』ですが、辞書でひいてみると、「長期間の休暇」という意味でした。
「長期間の休暇」、考えるだけでもワクワクする素敵な響きです。
さて、何を書こうかと考えた末、「私は今現在、まさにバケーション中だった」ことを思い出しました。
そのきっかけとなった ‘ある出来事’ があるのですが、今回はそれについて、書きたいと思います。
私は京都に移住して9年になります。
9年前、私は東京で会社員をしていましたが、体を壊し、休職状態でした。
転職しながらも15年近く働き、それなりに仕事の楽しさも覚えましたが、体を壊し、仕事への気力も
若い頃のようにあるわけでもなく、このまま東京で働き続けることに、疑問を抱く毎日でした。
また一方で、芸術大学の通信コースに社会人学生として通いながら、日本文化を学習していました。
茶道や花道、能、歌舞伎、障壁画、連歌など、知らなかった芸術文化の学びに夢中になっていました。
そんな時、京都在住の今のツレと知り合い、一緒に住むことを提案されたのです。
京都に暮らしながら日本文化を学習する、という、願ってもない機会です。
ただ、東京を離れ、仕事を辞め、知り合いのいない京都に移住することに不安もありました。
そんな迷いの中で、下見を兼ねて京都を訪れた時、移住を決める ‘ある出来事’ に遭遇したのです。
ツレが、お気に入りだという大徳寺の塔頭のひとつ、高桐院というお寺を案内してくれました。
高桐院はコロナ禍以降、拝観が中止されてしまいましたが、お庭がとても美しいお寺です。
▲新緑が美しい高桐院のお庭
縁側でお抹茶をいただきながら、美しく手入れがされたお庭を眺め、心癒されるひとときを過ごしました。
▲縁側でいただくお抹茶
そして、ご本尊にご挨拶をしようと手を合わせ、顔を上げた時、「夢」と書かれたお軸が目に飛びこんできたのです。
▲「夢」と書かれた掛軸
「夢、、そうか、夢なんだ。」
その一瞬、悟りのように、そう納得したのです。
「一生を「夢」だと思えばいい」、そんなふうに語りかけられたような気がして、
私は手を合わせたまま、ボロボロと泣き出してしまいました。
そんな私を、ツレはそばで何も言わず見守っていました。
仕事は東京でもう十分頑張った、「夢」の世界に飛びこんでみよう。その時、私はそう決心したのです。
そうして京都で「夢」の世界に飛びこみ、バケーションを始めて9年が経ちました。
現在は大学院に進学し、他の大学では、たまに非常勤講師をして日本文化を教えています。
幸い、街クリの仕事に出会えたことで、在宅でも仕事ができています。
バケーションのような「夢」の世界を、これからも愉しんでいけたらと思います。