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冬の風物詩

11月最後、「雪」のテーマ最後を担当させていただきます。

3回目のブログとなりました、3匹の猫と暮らす関東在住Sです。

関東に来てもう20年…!冬に雪を堪能することもめっきり少なくなりました。

 

生まれ育った仙台は、大雪!というほどではないけれど

そこは東北、ほどほどに雪が降ります(地域によります)。

冬=雪、が当たり前だったので、関東の冬は毎年少し寂しく物足りなく感じます。

 

雪が降った夜、周りの音が飲み込まれたようにしーーーんと静かになり

いつもの街が、車のライトや街のネオンサインと、雪の白だけの色になる風景。

思い出すだけで胸がキュッとなる、ちょっと涙がにじむ、なぜだか切なくなる景色です。

 

そして仙台人、宮城県民なら雪とともに思い出す冬の風物詩「どんと祭」。

毎年曜日問わず1月14日、いわゆるお焚き上げが大規模に行われます。

お正月飾りやお札・お守りなどを燃やす神事ですが、思い出の品をそっと燃やすのも大人への通過儀礼です。

(正確には御神火へぶん投げます、預かってもいただけますが自分で投げ入れるのが良いのです

でも公式には神事に関係ないものは不可、とあるようなので思い出の品~はフィクションということで…)

 

我が家は県内でも最大規模と言われている大崎八幡宮へ通っていました。

平日学校が終わった夜に、たくさんの人混みと屋台の中を歩くのは子供心にとてもワクワクしたものです。

大人になってからは、その後国分町へ飲みに行くのも恒例に。

 

そしてもう1つの風物詩が「裸参り」。

白い鉢巻とさらし、足袋にわらじとほぼ裸に近い恰好で(女性は上に羽織りがあります)

寒さで震えて舌を嚙まないように、という説もある含み紙(本来は私語を慎むためだそうです)を口にし

市内各所から神社までの道を、提灯を持ち、鐘を鳴らしながら歩きます。

 

私が小さい頃は、沿道の方々が次々にバケツに入った氷水をぶっかけていた記憶があるのですが(お清め的な意味合い)

今はさすがにやってないのかと思います…コンプラ的に…?

 

暗くなった夜道、ぼんやりとした提灯の灯りとたくさんの鐘の音とともに近づいてくる行列。

時には雪の中、絶対に寒いだろうその時見た行列のお兄さんお姉さんはいつも笑顔で楽しそうで。

市内にある企業や学校、団体の方々が有志でそれぞれ歩くらしいのですが、

子どもの頃は、仙台にある会社に勤めたら私も裸参りをやらなきゃいけないのかと

ワクワクというよりは…ちょっと怖かったものです…

仙台には…就職しない!とも思ったり。

 

御神火に暖まり、お参りを終えたら、人込みを避け、裏道を抜けて帰路へ。

私はどんと祭の日に雪が降るのが大好きなのです。それがこの時間のため。

 

お祭りの喧騒から少し離れ、住宅街のはずなのに家の灯りはこととごく消えていて

少しの街灯だけの裏道、雪は音を飲み込み、雪を踏むきゅっきゅっという音だけが聞こえる、不思議な空間。

御神火で顔はぽかぽかしているけれど、雪の寒さでだんだんぴしっとひんやりとしてきて。

自分がどこにいるのかも分からなくなるような、非日常の時間がありました。

御神火の余韻か、暗いはずなのに遠くに赤く染まった空を見上げながら

いつも、胸がキュッとする、切ない時間を堪能していたのでした。

 

夫の仕事の都合でここ最近はどうしても行くことができていないのですが

私としてはお休みをぶん取ってもらってでも、毎年通い続けたい大切な大好きな行事です。

ちなみに夫を初めて連れていった時は「火災じゃん…山火事…」と御神火の大きさに呆然としていました。

 

また行ける日を楽しみに、関東の雪も心待ちにしながら、今年も関東の冬を過ごしたいと思います。

読んでいただき、ありがとうございました。