ブログ

ブログ

愛の水中花

 

鬼も十八、番茶も出花な夫と出会ったのは、私が30歳の時。

結構な年の差恋愛で、しかも人生初の国際恋愛。これってもしかして巷でいう大恋愛⁉

と、両親が止めるのもきかず大盛り上がりで結婚したものの、

3年もしないうちにパッションは消え失せました。そう、エロスは儚く散ったのです。

 

時は経って結婚10年目。計画外に子どもができてしまいました。

正直子どもが大の苦手な私。「産んで大丈夫なんやろか……まじ自信ない」と真剣に悩みもしたのですが、

産んでみるとこれがまあ、夜泣きもイヤイヤ期もやんちゃくれも憎たらしい言葉も、

子どもの寝顔を見ればすべて許せるぅ! すべすべのほっぺたを触ってるだけでオキシトシン限界突破!

みたいなことになったのでした。そう、親の愛はほぼアガペーだったのです。

 

エロスの対象外になった夫はといえば、オキシトシン全開で子育てしているうちに、

完全に「産んでない長男」として認識するようになってしまいました。

一緒にまとめて面倒みたるわ! という感じです。

最近では子どもと夫の名前をしょっちゅう間違え、「それお父さんやで」と子どもに突っ込まれる始末。

友人からは「上の子と下の子の名前を間違うことはあるけど、夫と子どもは間違えんやろ」

とドン引きされましたが、あれ? ちょっと待って。

夫≒子どもってことは、エロスは消えたけど、アガペーに昇華したってこと?

もしかして、これも愛……? あれも愛……? たぶん愛……? きっと愛?(Ⓒ「愛の水中花」BY松坂慶子)

 

奇しくも今日は、夫の誕生日。

愛にはたくさん形があるのかもしれない、と思うようになった46歳の秋です。