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本になるって素敵なこと!!……だけど。

こんにちは! 東京在住のSです。もうすぐ5月が終わりますね。

今は下の息子(中学3年)の中間テストが終わったばかりで、ホッとするやら脱力するやら、これから返されるテストの点数が気になるやら(!)……で、落ち着かない日々を過ごしております。

 

さて、今回のテーマは「本」。

たまたまですが、私は街クリにご縁があるまでの約20年間、小中学生向けの教材の編集、主に内容校正を仕事としてきました。

大きなくくりで言えば、「本を作る側」の仕事に従事していたことになります。

 

「内容校正」とは、簡単に言えば、印字された原稿の中の「まちがい探し」をする作業。

単純な誤字脱字・数値や日本語表現の誤り・教え方や問題内容の違和感・レイアウト(見た目)の不具合などなど。

気づいたものは全て、書き込んでいきます。

 

なので、内容校正ばかりしていた最初の頃は、

「しっかりまちがい探しをするぞ!」

という意気込みで作業をしておりました。

 

そのうち、沢山の教材を見てきた経験を評価していただけたのか、とうとう

「原稿の書き換えや新規書き起こし」のお仕事のオファーが……。

正直、とても嬉しかったです😊いよいよ、私も執筆できるんだ~! と。

 

該当する教科書ページを見ながら、そこでの学習をどう進めてどう導けば理解できるのかを、試行錯誤しつつ新規で原稿を書き上げました。

手書きでの、何とも拙い原稿。

「これで大丈夫か??」と不安に思いつつ、提出。

 

そして、いよいよ初校(初めて校正する為に印字された原稿)が。

その校正紙を見たときは、感動😆でした!!

あの手書きの、頼りなくて拙いとも感じられる原稿が……。

フォントやレイアウトを調整して見事に印字され、イラストや表もしっかり入っている、それはもう、立派なページに。

 

「手書きの原稿が印字されると、こんなに印象が変わるんだ……!」

 

そのとき、初めて実感しましたし、心の底から嬉しかったのを今でも覚えています。

まさに、ふだん校正で見ている教材の1ページ。他のページと遜色なく馴染んでいました。

 

ですが。

その次の瞬間、妙な感覚に襲われました。

まるで「自分の原稿が私の手元から離れて、遠くへ巣立ってしまった」ような、感覚。

 

キレイに印字されるって、それだけで公的な要素が一気に高まるのだと。

中身はともかく、ちゃんとした製品として成立しているように見えてしまうのだと。

これが教材本となって配布されれば、不特定多数の子ども達が解くことになる……。

急に、その責任の重さ恐怖感が、じわじわと膨らんでいきました。

 

全くもって、当たり前のことなのですが、

「その教材で学習する子ども達に対して、執筆・編集する側には大きな責任がある!」

今さらながら改めて、つくづく思い知らされたのです。

 

その恐怖感を経験して以来、内容校正する際の心構えに変化が。

「単なる間違い探し」だけではなくなりました。

★「(その教材に)初めて取り組む子どもの目線」を絶対に忘れないように。

★解く側の子ども達の信頼を、決して裏切ることのないように。

★その教材を解くことで、一人でも「わかった!」が増えるように。

そんな姿勢で校正に臨むようになりました。

 

ちゃんとしたフォントやレイアウトで印字されたり、パソコンやスマホの画面上で見られたりすると、一見「ちゃんとしている」ように感じられます。

 

これって、すごい落とし穴だな~、と……。

 

パソコンやスマホが手軽に持てるようになり、誰もが、自分でかいた文章やイラストを「それらしく編集して」ネットに載せたり、印刷したりできてしまう、今のこの時代。

「本」だって、その気になれば、ちゃんと印字した形で自分で作れてしまいます。

 

でも実際、どれくらいの人が、

「ちゃんとしている」ように見えることへの責任の重さ

これを自覚しているでしょう?

 

街クリのお仕事でも、既にある「ひな型」に該当する情報や文章を入力すれば、ネット上の情報ページに「ちゃんとした公式な情報として」どんどん公開されていきます。

「本」の形ではないまでも、公的な要素を含んでいるという点では、通じるものがあると感じています。

 

自分の書いたものが「本」のような公的要素のある媒体となり世に出ていくことは、

とっても素敵なこと!!

だと思います。それは間違いないです。私も、ものすごくワクワクしました😆

ですが同時に、

それなりの責任が伴う、重みのあること!!

でもあるんですよね。

 

そのことを、頭の片隅に……でもいいと思います。ただし、常に意識していること。

それが、とても大切なのではないかと思うのです。

たとえ仕事に慣れてきても、その意識が薄れないように。私自身もこれを機に、しっかりと再認識して仕事に取り組んでいこうと思います!

 

長くなってしまい、すみません😥

最後までお読みくださり、ありがとうございました!!