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新一万円札のふたりの父

2024年7月3日、新しいお札が発行されました。

そのうちの、一万円札について考察してみたら面白いことがわかったので、東京都在住のTがご紹介したいと思います。

 

新一万円札の表には、「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢栄一の肖像が描かれています。

一方裏には、東京駅丸の内駅舎が描かれており、こちらは「近代建築の父」と呼ばれる辰野金吾が設計した建物となっています。

このふたりの人物には大きな関りがありました。

 

渋沢栄一は、日本初の銀行をはじめ約500の企業等を設立している中で、明治20年に煉瓦製造の会社を設立し、そこで製造された煉瓦が東京駅に使用されています。

そして、東京駅丸の内駅舎の設計者の辰野金吾は、渋沢栄一が創設した第一銀行本店の設計、さらには日本橋兜町の渋沢栄一邸の設計も依頼され手掛けています。

 

渋沢栄一が銀行を創立する際、日本の顔としての建築を、日本の建築家の手で作りたいと辰野金吾を抜擢されたそうで、このことが辰野金吾を世に知らしめるきっかけとなったようです。

このように、交友関係にあった「近代日本経済の父」「近代建築の父」の偉大なふたりの父の功績が、時代を超えて一枚のお札の中に収められているということにロマンを感じました。

 

もう一つ面白いお話を。

東京駅丸の内駅舎の南北ドームの上に干支のレリーフが飾られていますが、8つしかないことをご存じでしょうか。

残りの4つは東西南北を指す4支で、辰野金吾の生まれ故郷である佐賀県の「武雄温泉楼門」の2階にあることが後にわかりました。

こちらも辰野金吾が設計したという共通点があり、4支だけ武雄温泉楼門にある理由はわからず辰野金吾の遊び心ではと言われているそうです。

 

乗り換えで利用されることが多い東京駅ですが、一歩改札の外に出て思いを巡らすのも面白いなと思いました。

 

東京駅丸の内駅舎を実際に見てきました。