2023年8月8日
こんにちは!千葉県在住のTです。
「AIが人間の仕事を奪う」
「AIが人類を破滅させる」
最近、そんな記事を見る機会が増えたように思います。なんだか怖い・・・。
私は以前、不動産売買の仲介営業をしていました。
そんな私が気になったのが、「AI導入により不動産営業の仕事はなくなる」という記事。
「わざわざ営業マンが対応しなくても、AIが高い精度で条件に合う物件を提案できるようになる」という内容です。
皆さんはどう思われますか?
営業マン時代の、あるお客様との話をしたいと思います。
「マンションを探しています」と来店されたKさまご夫婦。
ご希望の条件やイメージを伺いながら、何度もお会いして物件を見て回りました。
奥様が妊娠中だったKさまは、産まれてくるお子様との暮らしをイメージされていました。
「部屋数はいいけど、子どもが産まれたら収納が足りなくなる気がする。」
「立地は良いけど、築年数が古いから子どもが騒いだとき音が響かないか気になる。」
どの物件も一長一短あり、なかなか前に進まない家探し。
最終的に私がご提案したのは、「ある中古戸建をリノベーションする」というものでした。
・将来的にお子様がもう一人増えても十分な部屋数と収納が確保できる
・戸建なので、階下への音を気にせず生活できる
・お子様が走り回れる広いリビングが叶う
戸建であるということ以外、Kさまのイメージする暮らしが最も実現できると思った物件でした。
お二人ともずっとマンション暮らしで、なんとなくマンション前提で家探しをされていたKさま。
まさかの戸建×リノベーションの提案に戸惑われていたものの、
「もうここまで探したし、探してもらったので。不安はあるけど、私たちをよく知るTさんが良いと思ったんだったら、きっとこれが自分たちにとって良い選択なんだと思います。」
そう言っていただき、購入していただきました。
担当が私でなくAIだったら、希望条件に一番近いマンションを提案して、Kさまはそこで幸せに暮らされていたのかもしれない。
でも、もしAIが最初から「この中古戸建を買ってリノベーションするのがベスト」と提案していたとしても、Kさまはきっと購入を決断されていません。
共に悩んで、何度も話し合って、時にぶつかり合って、やっと辿り着いたマイホーム。
あのゴールには、たくさんの遠回りと、信頼関係が必要でした。
おこがましいかもしれないけれど、
私だったからこそ提案できた幸せの形もあるんじゃないか、と思うのです。
それが、人が介入する価値、おもしろさなんじゃないか、と。
今後、さまざまな分野でAIが導入されていくと思います。
でもきっと、AIが取って代わる仕事がある一方で、新しく生まれる仕事や、人だからこそできることもある。
そう信じて、「自分が介入する価値」のある仕事をしていきたいなと思います。