2022年9月20日
こんにちは!関東在住のFです。
みなさんは、はじめてひとり暮らしをした街を、どうやって選びましたか?
学校や職場に近い、実家に近い、治安が良くて住みやすそう、等々様々な視点で選びますよね。私が初めてひとり暮らしをしたのは、大学進学のタイミング。地元の長崎を離れ、横浜でのひとり暮らし。通学しやすく、かといってたまり場にはならない、大学から3駅離れた街。駅前に大きなスーパーや商店街がある、程よく賑やかな街です。駅近で、やさしい大家さんが同じ敷地の別棟に住んでいる新築のアパート。受験の際に初めて飛行機にのったような田舎娘を都会に送り出す両親にとっても安心できる条件が揃っていて、その街で大学生活をスタートしました。そう、ごくありふれた理由で選んだ街だったのですが・・・。
その1年半前、高校2年生の秋に大好きな曾祖母、ひいおばあちゃんが他界しました。ひいおばあちゃんは母の実家に祖父母といっしょに住んでいて、商売をしている忙しい祖父母のかわりに、遊びに行くといつも私の相手をしてくれていました。いつでもしゃんとしていて姿勢が良く、梅やらっきょう漬けなどの季節の手仕事を大切にし、編み物が得意で、亡くなる92歳まで全くボケませんでした。ひ孫の中で女の子は私だけで、特段かわいがってもらっていました。小学生の頃は夏休みに二人でジブリの映画を見に行くことが恒例でした。「おもひでぽろぽろ」を見たときには「いつかあなたも素敵な大人になるのね。見てみたいなあ。」と言っていたのを覚えています。素敵な思い出をたくさん残してくれたひいおばあちゃん。現在の私も季節の恵みを扱う作業(今だと栗の渋皮煮を作ったり)がとても好きなのですが、母でも祖母でもなく、このひいおばあちゃんの影響だと言えます。唯一心残りだったのは、最期の時に駆け付けられなかったことでした。
ひとり暮らしを始めてしばらくして、母が祖母を連れて長崎から遊びに来ることになりました。その数日前、電話で母が話した内容にびっくりしてしまいました。「お母さんもおばあちゃんも知らなかったんだけど、亡くなったひいおばあちゃんの妹さんがね、どうやらあなたの家の近所に住んでるみたいなのよ。だから今度遊びに行く時に一緒にご挨拶に行こう。」と。祖母にとったら叔母さんになりますが、葬儀は高齢で持病もあり、遠方のためいらっしゃることができず、会うことはできませんでした。関東の方に嫁がれたということで会う機会も少なく、年賀状などのやり取りのみだったようですが、私の住所と近いことに祖母が気づき、連絡をとったそうです。その距離、なんと徒歩5分。大好きだったひいおばあちゃんの妹さんが、私の横浜のひとり暮らしの家から徒歩5分の距離に住んでいた・・・。なんという偶然・・・。
そして伺う約束の日、3人で向かっていると坂の上のお宅の前に立って手を振る方が。私と母と祖母は、その姿を見た瞬間、涙が溢れて止まりませんでした。妹さんは、ひいおばあちゃんと瓜二つだったのです。泣きながら対面を果たし、「姉があなたのことをとてもかわいがっていたことを知っているよ。」と教えてもらいました。最期に会えなかった私がもう一度ひいおばあちゃんの口から聞きたかった言葉を、代わりに言ってもらえたような不思議な気持ちでした。ひいおばあちゃんは私のことが心配で、ここに引き寄せてくれたんだね、とみんなで話しました。
ひいおばあちゃんに守られていると感じたその街は居心地がよく、大学を卒業して勤めてからも住み続け、結局8年間暮らしました。その間に「やっぱりひいおばあちゃん、近くで見守ってくれているんだな。」と感じる不思議な出来事が他にもありましたが、それはまた別の機会に。
みなさんが今住んでいる街も、もしかしたら不思議な引き寄せによって選ばれた街なのかもしれませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!