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母の優しさ

北海道在住のNです。

今回のテーマは「思わず心が動いた、忘れられない”神対応”の瞬間」。
若干テーマからそれるかもしれませんが、先月あった「思わず心が動いた、忘れられない出来事」を書きたいと思います。

毎年夏になると楽しみにしているのは、地元(福島)から母が送ってくれる桃でした。
8月の上旬頃に「あかつき」という福島の桃を送ってくれていました。

今回は初めて子供達を連れて夏に帰省することになり、あかつきは実家で味わうことに。
そんな矢先(7月の中旬頃)、母はステージ4のがんが判明し、
帰省の翌日から入院・手術、そして抗がん剤治療をしてから退院することが決まりました。
退院後もしばらく実家に滞在するので、退院後のサポートもできるし、
久しぶりに母の誕生日も一緒にお祝いできるし、盛沢山な夏休みだな~と思っていました。

桃を注文する頃、アルミホイルに桃を包んで冷蔵庫に入れると長持ちすると聞いた母。
今年は例年より少し早く(7月の終わり頃)届いたようで、
8月3日から帰省する私達のためにたくさんの桃をアルミホイルで包んで冷蔵庫に入れてくれていました。
入院する日の朝、母が「桃、いっぱいあるからどんどん食べてね」と言い、
私も「わかったよ!退院したら一緒に食べようね」と言って見送りました。

ところが、手術の翌日までは元気だった母は、その後容体が急変し亡くなりました。
ステージ4のがんと診断されてはいましたが、1人で家事をして生活していたので
母本人も私達も当たり前のように元気に退院すると思っていたので、信じられませんでした。

葬儀の準備で慌ただしい中、冷蔵庫にはアルミホイルに包まれた桃があり、
母が包んでいる姿を想像しながら少しずつ食べました。
お盆明けの葬儀が終わった後もまだ桃はあり、北海道へ戻る前日(21日)が母の誕生日だったのですが、
その日までおいしく食べることができました。
最後の1個の桃を食べる時はとても寂しかったのですが、
アルミホイルに包んでくれていたおかげで帰省中ずっと桃を楽しむことができました。

そして北海道へ戻った翌日、実家から送った自分達の荷物と一緒にもう1つ荷物が届きました。

母からの桃でした。

「今年のあかつきは北海道には送らないから、北海道に戻った後に食べれる桃を8月下旬頃送るね」
と、7月に電話があったことを思い出しました。

届いた桃は「ゆうぞら」という品種で、この名前にも胸がいっぱいになりました。
送ってくれる桃はいつもおいしかったのですが、この桃がさらに甘くてジューシーで、
「最後になっちゃうけど、たくさん食べてね」と母が言ってくれているような気がしました。
さっそく母にお供えし、アルミホイルに包んで冷蔵庫へ入れて大切に食べています。

もう1つエピソードがありまして・・・(長くなりすみません・・・)
母が亡くなった後、七五三をする5歳の息子の羽織を実家でずっと探して見つからなったのですが、
先週の土曜日、姉がついに見つけてくれました。
私達が何度も見ていた観音扉の洋服がかかっていたところにあったのですが、
羽織の上にスカーフがかけられていて見落としていました。
最初は着物用のタンスにしまっていたと思うのですが、10月に持って行くのでしわをのばすためにハンガーにかけ、
日に焼けたりほこりがかからないように大判のスカーフをきれいにかけて準備を始めてくれていたようでした。

母自身は特別な対応をしたつもりはないと思いますが、
桃や羽織を通しても母の優しさをたくさん感じられ、思わず心が動いた忘れない出来事でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。