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私を救ってくれたあの日の出来事

子育てをしていると、たまに「この人の優しさ、一生忘れないだろうな」と思う瞬間があります。

私にも、今でも思い出すだけで胸がいっぱいになる出来事があります。

それは、子どもがまだ小さかった頃のこと。

仕事帰りに子どもを連れてスーパーへ買い物に行きました。

その日は朝からバタバタしていて、仕事も忙しく、私自身かなり疲れていました。

でも、家に帰ってからの夕飯の材料もない。

「もう少しだから頑張ろう」と、自分に言い聞かせながら買い物をしていました。

ところが、レジに並んだあたりから子どもがぐずり始めました。

「帰りたい」「抱っこして」

何度も言われるけれど、買い物袋もあるし、抱っこする余裕もない。

つい、

「ちょっと待って!今は無理!」

と、少し強い口調で言ってしまいました。

すると子どもが泣き出してしまって…。

周りの視線が気になって、私はますます焦りました。

その時泣きそうになっていたのは、もしかしたら子どもより私の方だったかもしれません。

そんなとき、レジを担当していた店員さんが、子どもの目線までしゃがんで優しく声をかけてくれました。

そして私にも、

「お母さんも、お疲れさまです。大丈夫ですよ」

と笑ってくれたんです。

その瞬間、涙が出そうになりました。

「大丈夫」という言葉が、あの日の私には本当に沁みました。

誰かに褒めてほしかったわけでも、
励ましてほしかったわけでもありません。

ただ、

「ちゃんと頑張ってるよ」

と、誰かに認めてもらいたかったのかもしれません。

店員さんは、特別なことをしたわけではありません。

ほんの数分、子どもに声をかけてくれただけ。

でも、その数分で私は救われました。

その日は家に帰って、子どもを寝かしつけたあと、一人でそのことを思い出していました。

そして、

「私も、こんなふうに誰かを安心させられる人になりたいな」と思いました。

子育てをしていると、どうしても「迷惑をかけないように」と周りを気にしてしまいます。

子どもが泣けば謝る。
騒げば謝る。


予定通りにいかなければ、自分のせいだと思ってしまう。

でも、そんな親子に向けられるたった一言の優しさが、大きな支えになることがあります。

今でも、街で小さな子どもが泣いているのを見ると、あの日のことを思い出します。

そして心の中で、

「大丈夫だよ。お母さんも頑張ってるよ」

と、そっと思います。

もしかしたら、あの日の店員さんは、自分が私の心を救ったことなんて覚えていないかもしれません。

でも私は、きっとずっと忘れません。

子育て中にもらった優しさは、子どもが大きくなっても心に残る。

そして、もらった優しさは、次の誰かへ渡していける。

そんなことを教えてくれた、私にとって忘れられない「神対応」の瞬間です。