2023年5月29日
こんにちは (^^♪ 福岡市在住Mです。
今回のテーマは「本」。
本に関するみなさんのいろんなエピソードを楽しく拝読しています。私からは「聴く読書」について紹介します。
聴く読書というと、Amazonの「audible」やオトバンクの「audiobook.jp」などのサービスがよく知られており、プロのナレーターや声優さんが朗読しているのを聴くことができます。
また「聴く読書」は文字どおり「聴く」ものなので、目の不自由な方も読書を楽しんでいただけます。
そしてこの目の不自由な方向けに特化した図書の製作を行っている組織がいつくかあるのですが、その一つが全国にある「点字図書館」です。点字図書館では視覚障がい者のための様々なサービスを行っています。点字図書や対面朗読サービスはもちろんですが、生活便利グッズや無料アプリの情報など、より豊かな生活が送れるよう支援しています。
私は福岡市点字図書館で音訳ボランティアをしています。「音訳」という言葉を初めて知る方が多いと思いますが、私もボランティアを始めるまでまったく知識がありませんでした。「音訳」とは、視覚に障がいのある方に書籍や雑誌などの内容を音声(録音図書)にして伝える活動です。視覚に障がいのある方が点字図書館に利用登録をすると、図書の音声データ(CD、ダウロード等)を借りることができます。
「朗読」は読み手の解釈で抑揚をつけたり、感情を出して読んだりするのですが、「音訳」は内容を正確に音声変換することが重視されます。どちらかというとNHKのアナウンサーが淡々とニュース原稿を読んでいる感じです。例えば書籍がドラマ化されたときに「ちょっと自分のイメージとは違うな…」と思うことがありませんか?そうならないように抑揚や感情をあえて出さないことで、聴き手が自分の好きなように想像を膨らませることができるのです。
先日、録音図書の利用者さんの講演会に参加したのですが、なんとその方は5倍速!で聴いているとのこと。Youtubeなどを1.5倍速や2倍速で観る(聴く)人が増えたとはよく聞きますが、私自身は倍速だと内容がなかなか頭に入らないので、本当に驚きました。
長寿命化もあり、高齢になって失明する方も増えているそうですが、録音図書を利用して大好きな読書を諦めることなく続けられているというお話も聞きました。図書の他に、音声ガイド付き「耳で観る映画」もあるので映画も楽しむことができます。
「SDGs3すべての人に健康と福祉を」
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
まじめで堅いイメージだった「SDGs17の目標」ですが意外と身近にあって普段やっていることだったのだと改めて考えさせられました。
同じボランティアグループのメンバーには九十代の方もいらっしゃいます。声を出して本を読むことで、記憶力や滑舌、姿勢のよさをキープされているように感じます。小学生の頃はよく音読をしていましたが、学習効果が高いことはよく知られています。確かに本を「黙読する」のと「音読する」のとでは脳の違う部分が刺激されている気がします。きっとみなさんのなかにも絵本の読み聞かせや子供の音読の聞き役をしている方もいらっしゃいますよね。本を一緒に楽しむとても充実した時間です。
ボランティアの先輩方は「ボランティアなので人のためにと始めたけれど、自分のためにもなっている」と皆さんおっしゃいます。私もライフワークとして長く続けたいと思っています。利用者さんが「聴く読書」を楽しんでいる様子を思い浮かべながら、これからも録音頑張ります!
もしボランティアに興味がある方や、身近に目が不自由だけど読書がしたいという方がいらっしゃればぜひお近くの点字図書館へどうぞ!