2020年10月6日
都会育ちの私には、生まれ育った地=故郷という感覚があまりありません。故郷という言葉が似合わないからでしょうか。もちろん、久しぶりに帰ると昔を思い出す、家族がいる、大切な場所ではあります。心から故郷と呼べる地がある人を、羨ましくすら思っていました。
そんな私にも、”第二の故郷”と呼べる地があります。それは大学の4年間を過ごした、東京近郊のとある街です。
その街もまた、何も特筆することのないところです。ごく普通の住宅地の中にポツンと大学があるだけ。でも、学生生活の中で最も濃い時間を過ごした地は、私の中で特別な場所となりました。毎日通学した道、電車からの景色、部活の後に仲間とよく行ったファミレスまで、懐かしく思います。
そこもまた私の故郷であると気付いたのは、卒業後のことです。大学時代の友人から、「今度はいつ帰ってくるの?」と聞かれた時でした。何でもない普通の会話ですが、彼女は”来る”ではなく、”帰って来る”と表現したんです。その時私は、あ、帰るんだ、私には帰る場所があるんだ、と気付かされました。そのことが嬉しかったのを、よく覚えています。
今ではあまり訪れることがなくなったその地ですが、死ぬまで心に残るであろう、私の第二の故郷です。
ちなみに…出身地を故郷と呼ばない私ですが、一つだけ”故郷の味”があります。それは、味噌です!東京にいても、日本食が簡単に手に入る海外にいても、なかなか出会えない赤味噌。赤味噌の味噌汁を飲むと、帰ってきた~と浸れるのです。1年振りの赤味噌は感動モノです。もう私の出身地がお分かりでしょうか?そうです、名古屋です!名古屋の中心部に近いところで生まれ育ちました。
みなさんの故郷にまつわるエピソードも楽しみにしています!